高山紗代子「敗者復活のうた」
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169: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:51:20.17 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「ひとつは、プロデューサーの言ってた事は本当だった、ってことです」

P「俺が?」

紗代子「必死な人の懸命な声は人の魂に届く、という話です。プロデューサーの私を呼ぶ声、聞こえました。確かに……」

P「……そうか、聞こえたか。それで、紗代子はすぐに俺だとわかったんだな」

紗代子「男体山の頂上にいた時から、なんとなく聞こえた気がしていました。そして、あの時……目が合った時にわかりました。この人だ、この人が私を呼んでいたんだ。私のプロデューサーなんだ、って」

P「やっぱり山は、不思議だな。それから? もうひとつのわかった事っていうのは?」

紗代子「明日の公演、プロデューサーは見ていてくださるんですか?」

 そうだった。明日はこの娘の、初主演公演だったのだ。
 こうして帰国しているという体裁なのだ、見ないのはおかしいだろう。
 しかし……
 まだプロデューサーは、迷っていた。いや、恐れていた。
 人前で自分は……大丈夫なのか?

紗代子「だめ……なんですか?」


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