80:一旦ここまでにします ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:30:55.47 ID:nY0iWbpOO
「アッハッハ、まるで休日のお父さんとお母さんでありますな!」
「亜季さん!? もうお父さんとお母さんだなんて……」
「おーい、響子ー? 響子さーん?」
81: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 07:58:27.64 ID:sHF766Jg0
五十嵐響子がどこにもいない。そのことに気付いたのは朝ごはんの時間になっても響子の姿が見えなかったから。あれだけご飯を作ることに楽しみの生きがいを感じていた彼女が何も残さずいなくなるなんておかしい。部屋の中にも入ったけど荒らされた形跡もなく、それどころか寝る前に飲んでいたのであろう少し残ったお茶のペットボトルがつい数時間前まで普通にいたことを示唆していた。
「響子ちゃん、どこに行ったんでしょう?」
「分からないけど……外、って事はないと思いたいな」
82: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:00:26.79 ID:sHF766Jg0
「肇、少し良いか?」
「プロデューサーさん。ちょうどよかった、私も話したいことがあったんです」
家事担当だった響子がいなくなったから必要なものを買い出しに行くと言う名目で俺と肇は車を走らせた。吹雪の中車を走らせるのは危険だったが、他のみんなに聞かれるわけにもいかないので致し方ない。肇にカイロを渡すと加蓮と同じようにシャカシャカ振り始めた。
83: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:02:32.41 ID:sHF766Jg0
待ち焦がれた満月の夜は案外早くやってきた。2日後の夏の夜、セミの鳴き声が響く中まん丸とした満月が空に浮かんでいた。
「悪いね、ちょっと話があったんだ――加蓮」
呼び出された加蓮はこれから寝るところだったのか寝巻き姿だ。夏の夜の暑さで少し汗をかいているみたいでまたシャワー浴びなきゃと言っている。
84: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:04:34.96 ID:sHF766Jg0
「な、なんで私が偽物だってわかったの……?」
「それは俺の灰色の脳が」
「プロデューサー殿、素直に総当たりで試して最後に残った加蓮殿が引っかかっただけと話したほうが」
85: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:07:03.79 ID:sHF766Jg0
「あら? そんなに驚きませんでしまか? もっと大袈裟なリアクションを期待していたんですけどね。例えば……」
「アンビリィバボゥーー!! まさか加蓮さんが楓さんだったなんてショックだぜーー! ……みたいな? フヒッ」
「って正体は輝子さんだったんですね? って違いますよ! 黒幕はこの、カワイイボクですからね!」
86: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:09:02.85 ID:sHF766Jg0
「最初から加蓮お姉さんの気持ちになっていたですよー」
「っ!」
無邪気にくるくる回る仁奈の姿をした夢邪鬼は残酷な表情で笑い、藍子は表情を歪ませる。同郷で同い年ということもあってキャラクターは真逆だけど2人の間には他のみんなとは違う友情があった。異常事態に陥ってひとり取り残された藍子が最初に頼ったのが加蓮だったという事実が物語っている。それをコイツは演じて弄んでいたんだ!
87: ◆d26MZoI9xM[sage]
2019/12/16(月) 08:10:36.90 ID:sHF766Jg0
「ど、どういうこと」
「それはこっちも予想してたよ」
「プロデューサーさん……?」
88: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:14:11.64 ID:sHF766Jg0
麗奈「や、やられたんじゃないわよ! 戦略的撤退! あの時巫女だけだったらこの夢邪鬼様がフルボッコにしてたわ! それをあの芸術家かぶれが邪魔したのよ! こっちは娘の夢を叶えようって思ってただけだってのに!」
杏「えーと……名前は……なんだっけ。あれも歴史ある名字だったと思うけど、思い出すのも面倒だしいっか」
雪美「話戻すね……2人を夢に取り込もうとしたら……ぶおおおお….うるさかった……」
89: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:15:20.35 ID:sHF766Jg0
麗奈「や、やられたんじゃないわよ! 戦略的撤退! あの時巫女だけだったらこの夢邪鬼様がフルボッコにしてたわ! それをあの芸術家かぶれが邪魔したのよ! こっちは娘の夢を叶えようって思ってただけだってのに!」
杏「えーと……名前は……なんだっけ。あれも歴史ある名字だったと思うけど、思い出すのも面倒だしいっか」
雪美「話戻すね……2人を夢に取り込もうとしたら……ぶおおおお….うるさかった……」
90: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 08:17:25.47 ID:sHF766Jg0
「! プロデューサーさん!」
「大丈夫だよ、美穂……」
早苗「今のは正当防衛だから無罪よ? 話は最後まで聞くこと、さもなきゃもっとシメるわよ?」
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