55:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:04:14.01 ID:QXbKSZYO0
合宿の始期から当日までの、メンバー各々の予定とレッスン日程がビッシリ示されている。
それまで他人事のように捉えていたものが、白雪という名前を見ると、ようやく我が事としての実感が湧いてくる。
「白雪さんは、このセットリスト、いかがでしょう」
「経験がないのに、聞かれても答えられるはずがありません」
56:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:05:49.56 ID:QXbKSZYO0
「チヨ。一緒にチーム、組みましょう」
「何の、ですか?」
「リレー、ですね?」
57:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:08:48.44 ID:QXbKSZYO0
と思ったものの――。
「はぁ、はぁ……!」
い、意外と皆、本気でやるもんだな。
58:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:10:34.20 ID:QXbKSZYO0
次は飴食い競争。
ご丁寧に、小麦粉がたっぷり入った大皿をわざわざ用意するという力の入れようだ。
これに、顔を埋めろと?
59:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:11:37.91 ID:QXbKSZYO0
「きらりさんは、杏さんを抱っこしながら飛んでください」
「随分な言い方だね」
杏さんはややヘソを曲げているが、私は合理的な提案をしているにすぎない。
どうせこの人はまともにジャンプをする気など無いに決まっている。
60:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:13:18.87 ID:QXbKSZYO0
「何で笑うんですか」
「ごめん。でも、やっぱりそれ、おかしくて」
「好きでこんな顔になっているのではありません」
そのやり取りを見ていたアーニャさんも、クスクスと笑っている。
61:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:14:46.54 ID:QXbKSZYO0
「5…6…7…8、あ、あぁぁ!」
「何やってるにゃー! 李衣菜チャン!」
「そ、そんなこと言われたって!」
李衣菜さんが脚を引っかけ、みくさんがすかさず責め立てる。
62:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:16:26.13 ID:QXbKSZYO0
「……44…! 45…! 46…う、わああああ!」
「ごめんなさい! 私が、今のは私がぁ、うぅぅ…!」
「大丈夫だにぃかな子ちゃん! 何度でもやり直そう?」
「ダー! キラリの言うとおりです」
63:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:18:08.98 ID:QXbKSZYO0
「……95…! 96…! 97…! 98…!」
これもようやく――ようやく、終わる。
「……99…!! ひゃくーーっ!!!」
64:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:20:20.72 ID:QXbKSZYO0
「……ありがとうございます」
この人の、これだけ気配りができる余裕はどこから来るものなのか。
彼女の行いは、私が黒埼家で行っているような使命感、義務感とは、まるで毛色が違う。
65:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:23:13.08 ID:QXbKSZYO0
――あずましぃ。
「あっ! アーニャ、それってどんな意味!?」
遠くの方でかな子さん達と談笑していた未央さんが、耳ざとくアーニャさんの呟きを聞きつけて駆け寄ってくる。
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