14: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2019/12/13(金) 02:48:21.44 ID:Zw5OVItT0
それに今回はたまたまリーテと組むことが出来たが、明日は別の冒険者と約束した依頼(クエスト)をこなすそうだ。
「(…明日は1人か。誰か一緒に組めそうな人を探さないと)」
今日はたまたま戦闘はなくても、魔物が存在する世界。1人でうろつくほどの実力はないから、もしどうしても誰とも組めなければ街中でできそうな依頼を探すしかない。それがもしなければ、街中でこの世界や町の周辺の情報を得る為歩き回るか。
15: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2019/12/18(水) 02:34:48.23 ID:IMXWgdCn0
「(困ったな)」
翌日、受けられそうな依頼(クエスト)の張り出されていないか探したが、残念ながら見つからなかった。やれそうなのは、農作物を荒らす魔物の討伐。チームを組める相手がいればという前提もあり、魔物との戦闘に経験も実績もない自分には単独は無理だ。
身元もわからないような自分のような人間が、ギルド協会が審査を含め訓練を施し、結果問題ないと判断した人間を加入できる。それがギルド。ギルドメンバーは便利屋のようなもので、日々どこからかの依頼があって成り立つ職業。必ず、自分が望むような仕事がある訳でもない。あっても、それを受領できるのは早い者勝ちだ。
16: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2019/12/18(水) 03:18:18.05 ID:IMXWgdCn0
街を散策すると、それなりの賑わいを見せている。白い石が壁となっている建物を主流に、大きな広場まで道沿いに伸びている。その多くは酒場や宿屋、武器や防具を売る店といった、ギルドメンバー向けのものが立ち並んでいた。
横切る人々も、皮の鎧と剣。あるいはローブと杖といった、ギルドメンバーらしき人が多い。ここの住人、という人間は商店にいる店員ぐらいだろうか。
見慣れたとは思えないものの、どこか知っているという感覚が、どうしてもざわつく。いつか、どこかで、自分を知っている人間が、声をかけてきそうな。
17: ◆e6bTV9S.2E[sage saga]
2019/12/18(水) 03:19:14.34 ID:IMXWgdCn0
ここまで。何にも決まってないから未だにふわふわしてるねぇ。
18: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2019/12/22(日) 02:50:32.10 ID:ZitEDe6b0
声をかけてきた相手も、自分の様子に驚いていた表情をしている。
「おっと、どうしたい?」
「いえ、少し考え事を…」
19: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/02(木) 04:09:15.60 ID:FHy5Fzra0
男の名前はヴェルズというそうだ。各地を放浪しながら腕試しをし、日銭の為に依頼(クエスト)をこなすギルドメンバー。これからこなす魔物討伐の準備の為、薬屋を探していたとのことだ。
「ふーん、記憶がないねぇ」
「えぇ、まったく」
20: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/02(木) 11:06:06.11 ID:FHy5Fzra0
「ありがとよ。おっと、あんたの名前聞いてなかったな」
「ナシノ…、ナシノといいます」
「あいよ。ナシノ、またどっかであったらよろしく頼むわ」
21: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/02(木) 13:32:35.38 ID:FHy5Fzra0
「貴方、お店の前で突っ立っているのは、あまりよろしくないわね」
「あ、すいません」
お店から出てきた女性にそう声をかけられて、慌てて店から少し離れる。自分で思ってるより、長くその場にいたのかもしれない。ちゃんと女性に挨拶もできないまま、逃げるようにその場を離れようとした。
22: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/02(木) 14:00:02.85 ID:FHy5Fzra0
「貴方、ギルドメンバーよね? 魔法の適性は?」
「火の属性があると言われました」
「……。決めた、ついてきなさい」
23: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/04(土) 02:48:27.68 ID:kZaYRnnM0
女性。ヘカルテ・サルバートに連れられ、たどり着いたのはギルド協会内にある訓練場。今は、貸し切りの状態になっている。
「ナシノ。何でもいいわ、その適正があったと言われた火を発現しなさい」
「は、はい」
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