21: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/02(木) 13:32:35.38 ID:FHy5Fzra0
「貴方、お店の前で突っ立っているのは、あまりよろしくないわね」
「あ、すいません」
お店から出てきた女性にそう声をかけられて、慌てて店から少し離れる。自分で思ってるより、長くその場にいたのかもしれない。ちゃんと女性に挨拶もできないまま、逃げるようにその場を離れようとした。
「…。待ちなさい」
声をかけられ、振り向く。
女性は先ほどの渋い表情と変わり、品定めするようなものに変わっている。滑らかな動きで、自分に近づいてきて、まじまじと全身を見た後。
「…。均整の取れた…。悔しいほど穏やか」
それは独り言だが、何に対してかがまったくわからない。
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