20: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2020/01/02(木) 11:06:06.11 ID:FHy5Fzra0
「ありがとよ。おっと、あんたの名前聞いてなかったな」
「ナシノ…、ナシノといいます」
「あいよ。ナシノ、またどっかであったらよろしく頼むわ」
会った時と同じように、豪快に笑い、手を振って店内に入っていくのを見守る。けれど、その事より自分の中で反芻していたのは、その名前。自分の名前。
「(…ナシノ)」
覚えているというには何も覚えていない。その自分にある名前。それは自分を表すものであるが、そもそも。
33Res/21.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20