83:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:38:50.92 ID:pYPvRrqT0
静香「……!」
凄い、凄い、凄い。
まだ高みに昇るんだ。
まだ羽ばたいていくんだ!
84:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:39:34.27 ID:pYPvRrqT0
……静寂――。
だが全員が理解している。
そうこれは、嵐の前の静けさ。
最後のぶつかり合いに向け力を溜め込んでいるかのような、そんな静けさ。
85:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:40:12.68 ID:pYPvRrqT0
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――ステージ裏。
最上静香、如月千早の両名はどちらからともなく歩みを止める。
86:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:41:08.99 ID:pYPvRrqT0
称えるプロデューサーに、二人の向ける眼差しはまったく同じものだった。
プロデューサーはその眼差しを受けて、薄く笑って言った。
P「まず、言っておくけど……。
プロデューサーとして、今日の二人のパフォーマンスに優劣は付けられない。
87:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:42:06.78 ID:pYPvRrqT0
それを聞き、静香は目を伏せる。
そして一呼吸置き、口を開いた。
静香「……私も、そう思ってました。競り合っていたのは中盤まで。
終盤は、私は一度も千早さんを超えることはできなかったんだって、わかってました……。
88:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:42:55.18 ID:pYPvRrqT0
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春香「お疲れ様、千早ちゃん」
89:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:43:52.61 ID:pYPvRrqT0
そこで千早は目を伏せる。
何か言い淀んだような、言葉を選んでいるような、そんなふうに見えた。
しかし春香はそんな千早に対して表情を変えずに、
春香「それじゃ、どうしよっか」
90:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:45:27.09 ID:pYPvRrqT0
冗談めかして言う春香に、千早は微笑みを返す。
それから、少し表情を改めて言った。
千早「ごめんなさい。約束を破ってしまうことになるけれど……。
今は私、歌いたいの。さっきのステージの感覚がまだ残っているうちに……。
91:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:46:29.35 ID:pYPvRrqT0
千早「だから、その……。どのくらいまでかかるか分からないから、春香は先に帰ってて。
二人でご飯を食べる約束は、またいつか必ず……」
一転、申し訳なさそうな表情を向ける千早。
そんな千早に、やはり春香は変わらない笑顔を向けたまま、
92:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:49:31.09 ID:pYPvRrqT0
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未来「――うわぁーーん! 静香ちゃん良かったよぉーーーー!
すっごく、すっごくすっごくすっっっっごくかっこよかった!!」
93:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:50:25.70 ID:pYPvRrqT0
翼「……静香ちゃん?」
不意に黙り込んでしまった静香の顔を、翼が覗き込む。
しかしすぐに静香は顔を上げ、少し申し訳なさそうに笑った。
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