【艦これ】山城「不幸のままに、幸せに」
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46: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:18:20.73 ID:2euMv+sS0

 いや、変な勘繰りはやめよう。非番だ、そうに違いない。私は嗜む程度にしかお酒を呑まないけれど、この世に酒豪はいくらでもいる。昼間から呑んだっていいじゃないか。
 それよりも今は彼女の提案に伸るか反るかである。体の痛みは慢性的だが、数日間ベッドで眠りっぱなしだったものだから、体の節々が固まってしまっているように思う。
 日常生活に戻るのですら二週間程度を要するとは大淀の弁。しかし、歩けないことには何もかもが始まらない。それにずっと部屋の中にいては参ってしまう――体よりも精神が。海風が心の澱を吹き飛ばしてはくれやしないかと期待してしまう程度には。

以下略 AAS



47: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:18:50.33 ID:2euMv+sS0

「……」

 廊下は細く、それ以上に窮屈だと感じた。灰色と緑を基調とした空間に、LEDの灯りが煌々と降り注いでいる。扉。むき出しの配管。結束されたコードの束が縦横無尽。
 違和感ばかりの中で、私は僅かに遅れて、最大限の違和感に気付く。
以下略 AAS



48: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:19:18.46 ID:2euMv+sS0

 螺旋階段を上りきると鉄扉があって、そこには丸い窓がついている。リベット打ちされた頑丈そうな窓。気密性の高そうな扉。
 あ、と声が漏れた。珍しく咽ることなく、するり喉から抜け出ていった。

 ここは。私がいる場所は。
以下略 AAS



49: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:20:02.09 ID:2euMv+sS0

「おい、ポーラ、てめぇなにやってんだ」

「て、提督? 違うんですよぉ」

以下略 AAS



50: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:20:31.08 ID:2euMv+sS0

 それは決して感傷ではない。私は姉さまや、仲間のみんな――家族のみんなを弔うために、死を悼むために、海を利用しているわけではない。ただ私は海が好きなだけなのだ。自由の象徴としての海が。

 船首には、今は帆は折りたたまれているが、金属製のマストが備え付けられてる。そこからずうっと、船体中央を通り越して後部までがフラット。そして船尾には、階段状になった複層式のスペースがある。管制室や操舵室だろう。
 トン数は200前後といったところか。内航向けの小型機帆船をリノベーションして使っている? それにしたってこの規模の船舶は漁船やクルーザーとはわけが違う。私はまだ、艦娘と提督以外の乗組員を見ていない。
以下略 AAS



51: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:21:01.86 ID:2euMv+sS0

「医務室は今さっきの階段を下りた先ですねー。中央部分に居住区角は集中してます、ポーラたちの部屋もあのあたりでー、食堂は船尾の、遠距離通信レーダーと気象観測アンテナありますよねぇ、あの真下ですぅ。
 時間はきっと、たっぷりありますからぁ……気を落とさないで、元気出して、頑張りましょー」

 ポーラはぽやぽやした笑顔のまま踵を返し、甲板を歩いた。そして甲板に備えられたハッチの僅かな段差に脚を引っ掛け、盛大に転ぶ。
以下略 AAS



52:名無しNIPPER[sage]
2019/08/23(金) 07:01:02.55 ID:jGa3pAAVo
おつ


53:名無しNIPPER[sage]
2019/08/23(金) 12:23:55.01 ID:wvFyOa+5O


意外な、CSARチームにポーラとな?
まさか、まさかの麻酔担当!?


54:名無しNIPPER[sage]
2019/09/20(金) 23:24:15.64 ID:xAIihgQXo
待ってる


55:名無しNIPPER
2019/09/30(月) 22:49:11.89 ID:P1xDypFl0

 じゃー……ちち、ち、ちっ、ちっ……。

 プラスチックのかたかた鳴る音とともに、ルーレットが止まった。数字はまたも2。先ほどから1〜3しか出ず、それなのに必要のないところで8や9が出て、よくないマスへと突き進む。
 「会社が倒産。500万支払う」。
以下略 AAS



56: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/09/30(月) 22:50:07.53 ID:P1xDypFl0

 しれっとした顔で不知火は言う。大局は既に決している。最初はやる気を奮っていた彼女も、今や消化試合を続ける面持ちで、けれど自らが誘ったという負い目からか、何とか私にそれを悟らせまいとする意地が見え隠れしていた。
 人生ゲームは果たして二人でやるゲームだったろうか。いや、結局は私が弱すぎるのが悪いのだ。というよりも、不幸すぎるのが。
 完全情報ゲームならばまだしも、不完全情報でここまで差が開いてしまうのは、逆に申し訳なくなってしまう。

以下略 AAS



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