50: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:20:31.08 ID:2euMv+sS0
それは決して感傷ではない。私は姉さまや、仲間のみんな――家族のみんなを弔うために、死を悼むために、海を利用しているわけではない。ただ私は海が好きなだけなのだ。自由の象徴としての海が。
船首には、今は帆は折りたたまれているが、金属製のマストが備え付けられてる。そこからずうっと、船体中央を通り越して後部までがフラット。そして船尾には、階段状になった複層式のスペースがある。管制室や操舵室だろう。
トン数は200前後といったところか。内航向けの小型機帆船をリノベーションして使っている? それにしたってこの規模の船舶は漁船やクルーザーとはわけが違う。私はまだ、艦娘と提督以外の乗組員を見ていない。
「船が泊地だなんて凄いですよねー」
酩酊に浮かされた口調でポーラが言う。私に説明してくれているのかもしれなかったし、ただ単の自慢かもしれなかった。
「あはは。みぃんな、『浜松泊地』に助けられた人は、そんな顔しますー」
そんな顔。どんな顔だろうか。
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