49: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:20:02.09 ID:2euMv+sS0
「おい、ポーラ、てめぇなにやってんだ」
「て、提督? 違うんですよぉ」
「俺はまだ何も言ってねぇ」
ぬっと現れた後藤田提督は、ポーラを見るなり顔を顰めた。ポーラは視線を逸らしてワインの瓶を背後へと隠す。
「それにポーラ非番ですからぁ」
「怪我人連れ出して無理させんじゃねぇぞ?」
「あーんな部屋にいたら気が沈んじゃいますよぉ」
提督は私を見た。無理やり連れだされてはいないだろうな、とその顔は問うている。縦か横か、首をどちらに動かせば正しく伝わるのか不安だったので、苦手だけれど笑顔を作ってみた。
「……」
無言。しかし、言い換えれば反対でもない。
少しばかりの溜息とともに、体に障るようなことはするんじゃないぞと釘を刺し、甲板の向こうへと消えていった。
私は後を追って甲板へと出る。早く海を見たかった。
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