46: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/08/23(金) 00:18:20.73 ID:2euMv+sS0
いや、変な勘繰りはやめよう。非番だ、そうに違いない。私は嗜む程度にしかお酒を呑まないけれど、この世に酒豪はいくらでもいる。昼間から呑んだっていいじゃないか。
それよりも今は彼女の提案に伸るか反るかである。体の痛みは慢性的だが、数日間ベッドで眠りっぱなしだったものだから、体の節々が固まってしまっているように思う。
日常生活に戻るのですら二週間程度を要するとは大淀の弁。しかし、歩けないことには何もかもが始まらない。それにずっと部屋の中にいては参ってしまう――体よりも精神が。海風が心の澱を吹き飛ばしてはくれやしないかと期待してしまう程度には。
私は、ポーラの提案に頷いた。彼女はすぐに満面の笑みで私の手を引く。力任せでなく、ゆっくりと、慈しむように。
扉はやけに重かった。ぐ、と体重をかけて押してようやく開く。それほどまでに体は衰えてしまっているのか。
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