204: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:41:40.95 ID:lzhGd5a70
はぁ、と加賀はため息をついた。諦念を多分に含んだものだった。
「だから子供はきらいなんです。後先を考えない……」
205: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:42:10.83 ID:lzhGd5a70
僅かに動きの遅れた瞬間を加賀は無論見逃さない。矢筒から、次弾を手に取る。塗り分けられた矢筈はそれぞれ艦載機の種別をあらわしている。赤、青、緑、そして赤と緑の斑。
射出。そして顕現。立体的な集中砲火を夕立は奇跡的な身のこなしで最小限の被害に喰い留めるも、それはあくまで奇跡、神業の類であって、そう長くは続かない。
顔面への直撃。
206: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:42:36.31 ID:lzhGd5a70
ぶすぶすと焼け焦げる音がこちらまで聞こえてきそうだった。夕立の身体から力が抜け、ぐらり、そのまま後ろへと体勢を崩す。
「――」
207: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:43:55.33 ID:lzhGd5a70
「はいはーい! 本当に時間ですよー!」
だから、佐世保の次席である吹雪が手を叩いてみなの時間を進めたとき、私は率直にほっとしたのだった。助けられたような思いがしたのだった。
吹雪はけれど慣れっこなのだろう。よく見れば佐世保の艦娘たちは、困った顔こそしているけれど、驚愕に目を見開いてはいない。吹雪が夕立の脚を引っ張って移動させているうちに、呉、パラオ、そして私たちと、先頭について案内を買って出る。
208: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:44:48.01 ID:lzhGd5a70
「凄かったわね」
パラオの霧島だった。眼鏡の奥の瞳は興奮に濡れている。
209: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:45:18.20 ID:lzhGd5a70
在り方、か。
それは妙に、私にとってもクリティカルな言葉だった。
「誰にだって在り方の一つや二つ、あるものだと思うわ」
210: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:46:08.49 ID:lzhGd5a70
艦娘などその殆どがわけありだ。疎外やら機能不全家族やら賎民やら。しかし同時に、霧島の弁を借りるとするならば、それはあくまで運命である。「なるべくしてなった」。
それだけではひとは生きてはいけない。運命の導きが果たして本当にあるとして、結局我々は、あるべくしてあらねば生きていけないのだ。
組織に入った理由が、そのまま組織に居続ける理由になる必要はない。
211: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:46:56.03 ID:lzhGd5a70
「CSAR、でしたっけ」
「え? あ、はい」
212: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:48:08.62 ID:lzhGd5a70
――――――――――――
ここまで
無駄に設定に凝りだすのが設定中の背負った業。
213:名無しNIPPER[sage]
2020/03/15(日) 16:30:19.64 ID:qqLVo0cco
お疲れ様です
舞ってる次回
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