206: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:42:36.31 ID:lzhGd5a70
ぶすぶすと焼け焦げる音がこちらまで聞こえてきそうだった。夕立の身体から力が抜け、ぐらり、そのまま後ろへと体勢を崩す。
「――」
なにがそこまでさせるのか。夕立がたたらを踏み、堪える。
そのことを加賀も知っている。
四度。
ついに、ようやく、夕立は水面へと背中をつけた。肘から先が痙攣している。それもなくなると、加賀が人心地ついた面持ちで弓を下げ、額の汗を甲で拭った。
「……」
その場にいた誰もが、まるで恐ろしいものの片鱗を見てしまったようだった。夕立の身体能力も、加賀の精緻さも、人間の枠組みをとうに超えている。
いや、艦娘は人の身に神を宿す。とっくに人外であると言われてしまえばそれまでだけれど、ここまでハイレベルな演習――と言ってしまっていいものなのだろうか?――が見られるとは思ってもいなかった。
ともすれば、すぐさま夕立が飛び起きて、加賀へと向かっていくんじゃないかという気さえして。
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