144: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/23(水) 02:20:51.13 ID:0ARiWsal0
視線が吸い寄せられる。手が止まる――止まってしまう。まずい。大淀とグラーフがこちらを見る。ばれた。發が手元に二枚あること、そして何より、僅かな逡巡を。
発声を迷ったということは、まだ聴牌してないということである。役満の気配はそれだけで他家の動きを止める。が、それはこちらが聴牌している「かもしれない」からこそ作用する。
なんてことだ。自分で自分に怒りが向いた。この卓における私の脅威は消滅した!
145: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/23(水) 02:21:27.74 ID:0ARiWsal0
「ツモ切りってことは、ひとまずこれで安心だな」
そう言って、提督の手から放たれたのは、無情な白。
ほっと弛緩した空気が流れる。これで私の役満の目は消えた。グラーフも、大淀も、私を意識から外そうとしている。蚊帳の外に置こうとしている。
146: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/23(水) 02:22:57.14 ID:0ARiWsal0
残り七巡。ツモは中。
残り四巡。ツモは九策。
「っ!」
147: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/23(水) 02:24:07.78 ID:0ARiWsal0
――――――――――――
ここまで
謎の麻雀回。
なんか、こう、艦娘たちの日常をだらだらと書いていきたい。
148:名無しNIPPER[sage]
2019/10/23(水) 07:54:03.80 ID:DniX85fHO
こういうのも好きよ
乙乙
149:名無しNIPPER[sage]
2019/12/13(金) 00:01:21.83 ID:UUi0rN470
やっと追いついたー 次の更新はいつかな?
150: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/19(水) 21:15:54.79 ID:5AFgp54J0
「だめだだめだ。大淀、ちっとは手加減しろよ、素寒貧だ」
「いいじゃないですか。たんまりもらってるんでしょう? 『上官殿』」
151: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/19(水) 21:16:23.89 ID:5AFgp54J0
「余った分は呑みにでも使え」
「だめです」と、大淀。「賭け事での勝ち負けはきちんとしませんと。その上で、奢ってください」
152: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/19(水) 21:16:51.89 ID:5AFgp54J0
「安心しろ、救難じゃあねぇ。事務仕事だ」
「急を要する事務仕事、ですか。プリントの提出期限が過ぎていましたか?」
153: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/19(水) 21:17:23.27 ID:5AFgp54J0
そう言って二人は部屋を後にした。かつん、こつん、廊下に反響する二人分の足音。
「……」
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