【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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292: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:18:36.12 ID:Bg3Eqo0s0

「ええ。私もそう思います。和装の着姿の美しさは、姿勢の美しさから、とも言うくらいですから。」

「えへへ、そうかな? なんか、照れちゃうね。」

以下略 AAS



293: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:19:10.60 ID:Bg3Eqo0s0

たくさんの人の波の向こうで、プロデューサーに話しかけている海美の姿が見えた。
身振り手振りを大きく使って説明している様子が微笑ましかった。
このみが紬の方に視線を戻すと、紬がじっと此方を見ていたらしく、目が合った。

以下略 AAS



294: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:19:37.26 ID:Bg3Eqo0s0

「大丈夫よ、紬ちゃん。」

このみがそう言うと、紬は少し驚いたようだった。
少しの間の後に紬は微笑んで、それからゆっくりと話し始めた。
以下略 AAS



295: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:20:16.67 ID:Bg3Eqo0s0


二人で何でもない話をして、それからこのみは、紬と別れた。
このみが紙皿と箸を片手に歩いていると、後ろから、湿っぽく沈んだような声が聞こえてきた。

以下略 AAS



296: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:20:43.45 ID:Bg3Eqo0s0

「莉緒ちゃん……。」

このみはどう声を掛けていいのか分からなかった。
このみが出来ることは、空いたままの手で、莉緒の手をそっと握ってあげる事くらいだった。
以下略 AAS



297: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:21:20.42 ID:Bg3Eqo0s0

あるとき、このみの手に、何か硬いものが触れた。
莉緒が手に何かを持っているのだと分かった。
それは表面が少し水で濡れていて、冷たかった。

以下略 AAS



298: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:21:58.36 ID:Bg3Eqo0s0

ふと部屋を見渡せば、部屋の反対側の端のローテーブルに、風花とこのみのプロデューサーの二人が座っているのが見えた。
先ほどまで酒盛りが行われていたらしく、テーブルの上には缶のビールやらおつまみの乾きものやらが乱雑に並んでいた。
プロデューサーはアルコールは飲んでいないようだったが、風花は莉緒と同じように、既にお酒が大分入っているようだった。
風花は、このみの捕獲に成功した莉緒をたたえるように、ぱちぱちと手を叩いていた。
以下略 AAS



299: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:22:25.23 ID:Bg3Eqo0s0

「風花ちゃーん、このみ姉さん捕まえてきたわよー。」

「わー。」

以下略 AAS



300: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:23:34.84 ID:Bg3Eqo0s0

「あら。もしかして、プロデューサーは飲まないの?」

「ええ、まあ。……だから、俺はこれで。」

以下略 AAS



301: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:24:03.59 ID:Bg3Eqo0s0

今もそうであるが、公演の打ち上げのとき、彼は時々こうしてお酒を控えることがあった。
そして、そういう時に限ってこのみたちの誰かが酔い潰れたりして、結局プロデューサーに車で送ってもらうことになる、なんて事もよくあった。
このみは、彼がお酒を飲まないときは、自分達が安心をして、それで飲みすぎてしまうのだろうと思っていた。
けれど、二人の手の内をのらりくらりと躱し続ける彼を見て、このみはきっとそれだけじゃないのだと直感した。
以下略 AAS



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