294: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:19:37.26 ID:Bg3Eqo0s0
「大丈夫よ、紬ちゃん。」
このみがそう言うと、紬は少し驚いたようだった。
少しの間の後に紬は微笑んで、それからゆっくりと話し始めた。
「……今日の公演が始まる前は、馬場さんがどこか遠くに行ってしまうような、そんな気がしていました。
ただ、今馬場さんのお顔を見たら……。なんだか、安心してしまって。」
このみは、胸の奥がきゅうとなるのが分かった。
顔に出てしまいそうになるのを抑えて、このみは答えた。
「ウフフ、そう思ってくれたなら、嬉しいわ。
しばらくは劇場に来れなくなっちゃうけど……。また一緒に、ステージに立ちましょうね。」
「……はい。その日が来る事を、心待ちにしています。」
このみと紬は、互いに笑い合った。
少しだけくすぐったくて、なんだか心地よかった。
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