293: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:19:10.60 ID:Bg3Eqo0s0
たくさんの人の波の向こうで、プロデューサーに話しかけている海美の姿が見えた。
身振り手振りを大きく使って説明している様子が微笑ましかった。
このみが紬の方に視線を戻すと、紬がじっと此方を見ていたらしく、目が合った。
「紬ちゃん?」
このみが声をかけると、ただ一言、紬が呟くように零した。
「……不思議です。」
このみは、その言葉の意味を考えたが、特段何か思い当たるようなものはなかった。
頭の上に疑問符を浮かべていると、紬が声を詰まらせながら、言う。
「いえ、その……。」
このみは紬の様子が、自分の気持ちを上手く言い表す言葉が見つからず、答えあぐねているように見えた。
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