2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:33:32.33 ID:YWfCY9A20
1
気が付くと彼女は電車の長椅子に座っていた。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:34:41.43 ID:YWfCY9A20
2
「う、ん……」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:35:23.39 ID:YWfCY9A20
「えっ!?」
基本的な部屋の間取りは同じだけど、置いた覚えのないものがやたらと目に付く。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:35:49.33 ID:YWfCY9A20
自分が置かれている状況が全然飲み込めないけれど、とりあえずこのスマートフォンの持ち主の名前を調べよう。もしかしたら昨日、知らないうちにポピパかチスパの誰かの家に泊まるような流れになっていたのかもしれない……いや、冷静に考えるとここはほぼ見覚えがあるようでまったく無い部屋なんだけど、それはひとまず置いておこう。
一つ息を吐いて、沙綾はアプリのプロフィールを開く。そして混乱した。画面には『山吹沙綾』という名前が表示されたからだった。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:36:26.84 ID:YWfCY9A20
それから十分ほどあーでもないこーでもないと頭を悩ませて、最終的に沙綾が行きついたのは、誰かに電話をしてみよう、ということだった。
幸い自分の……多分、自分のスマートフォンにはポピパのみんなの連絡先があった。チスパや他のバンドの人のは見当たらないけれど、とにかくポピパの連絡先さえあればどうにでもなるだろう。きっと。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:37:14.79 ID:YWfCY9A20
「有咲……えーっと、市ヶ谷……あったあった」
連絡先に市ヶ谷有咲の名前を見つけ、沙綾は発信ボタンをタップする。そしてスマートフォンを耳に当てる。呼び出し音が一回、ニ回、三回……そこで電話がつながる。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:38:03.20 ID:YWfCY9A20
『それで、どうしたのよ? 沙綾も時間、早くなったり遅くなったりするの?』
「……あー」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:38:52.56 ID:YWfCY9A20
『いーからさっさと吐きなさい』
「……そりゃ、父さんと母さん、それに私と純と紗南だけど」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:39:50.33 ID:YWfCY9A20
それから約二十分後のことだった。コンコン、という部屋の扉がノックされる慎ましい音を聞き、ぼんやりと物思いに耽っていた沙綾はベッドから身を起こす。
「えっと、どうぞ?」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:40:26.05 ID:YWfCY9A20
「んで、沙綾」
「あ、はい」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:41:29.81 ID:YWfCY9A20
「兄弟の名前は?」
「……弟が純で、その下の妹が紗南」
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