6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:36:26.84 ID:YWfCY9A20
それから十分ほどあーでもないこーでもないと頭を悩ませて、最終的に沙綾が行きついたのは、誰かに電話をしてみよう、ということだった。
幸い自分の……多分、自分のスマートフォンにはポピパのみんなの連絡先があった。チスパや他のバンドの人のは見当たらないけれど、とにかくポピパの連絡先さえあればどうにでもなるだろう。きっと。
「こういう時に頼れるのは……」
消去法で考えてみよう。
まず、おたえ。申し訳ないけど、こういう時にはまったく頼りにならない気がする。「起きたら知らない部屋に……? お泊りしたの? 私も行きたかったなぁ」なんて言われて話が噛み合わないだろう。
次、りみりん。多分、私以上にテンパっちゃうと思う。もしかしたらアワアワするりみりんの声を聞けばそれで冷静になれるかもしれないけど、りみりんに変な心配をかけるのはちょっと申し訳ない。
次、香澄。……真剣に話は聞いてくれそうだけど、なんだろう。解決に持っていけるビジョンが浮かばない。「よく分かんないけど、とりあえずさーやの家に行くね!」って言われそう。いやいや、起きたら自分の部屋じゃなかったから私は困惑しているわけで……。
最後、有咲。
「……有咲だね」
口では色々言うけど友達想いだし、こういう時も……香澄とおたえの天然な言葉じゃなきゃ、きっとすぐに信用して親身になってくれるだろう。何かいい助言を貰えるかもしれない。
沙綾は一つ頷いて、有咲の連絡先を探す。
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