3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:34:41.43 ID:YWfCY9A20
2
「う、ん……」
ベッドの枕元でけたたましいアラームの音が鳴っている。それに意識が段々とはっきりしてくるのを山吹沙綾は感じていた。
目を瞑ったまま、枕元の音源に手を伸ばす。スマートフォンの感触が手にあった。手探りで端末のサイドボタンを探し、それを押し込んだ。アラーム音は止み、部屋の中には静寂が訪れる。
「んー……今日ってなんか予定あったっけ……」
まだ目を開かないまま呟く。
今日は日曜日。ポピパのみんなと遊びに行ったのは二学期が始まってから間もないことで、もう九月も終わる今週の休日は特に何も予定がなかったはずだ。そういえば昨日遅くまで香澄とメッセージのやり取りをしてたなぁ、その時に何か約束でもしたのかも。
そう思い、沙綾は目を開く。薄ぼんやりとした視界が徐々に鮮明になっていく。
「えっ……?」
そして部屋の景色がはっきりと見えるようになったところで、彼女の口から驚いたような呟きが漏れた。
ガバッ、とベッドから身を起こす。そして室内を見回す。そこは見慣れた自分の部屋ではなかった。
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