4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:35:23.39 ID:YWfCY9A20
「えっ!?」
基本的な部屋の間取りは同じだけど、置いた覚えのないものがやたらと目に付く。
それはアコースティックギターだったり、壁に貼られたロックバンドのポスターだったり、ベッドの枕元に置かれた三つの時計だったり……とにかく、自分の部屋とは似ているけれど、確実に自分の部屋ではない場所で沙綾は眠っていたのだった。
「…………」
言葉が出ない。私はどうして知らない部屋にいるんだろう、眠っている間に何があったんだろう、そういえば変な夢を見たような気がする……と、関係のないことに思考が逸れ始めた時、
――ピピピ!
「わっ!?」
手に持ったままだったスマートフォンが震え、何かの通知音を流す。よく見れば、その手にしている物も自分が持っている物と違うものだった。
その画面にメッセージアプリの通知が表示されていた。
「……見ていいのかな、これ」
明らかに自分の物ではないスマートフォン。だけど、いくら室内を見回してもその持ち主となる人物は沙綾以外見当たらない。状況がてんで分からないけれど……多分見てもいいんだろう。
そう思ってアプリを開く。グループトーク……『ポピパ』。メッセージの送り主は……戸山香澄。見慣れた名前に少し安堵して、ちょっと落ち着いた。
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