113:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:02:13.27 ID:YWfCY9A20
昨日の朝一番に、沙綾の机の上を確認して、書かれていたメッセージ。香澄はその大親友からのメッセージを、なんの疑いもなく信じている。そして、動物的な勘というか、第六感というか……そういうものが、確かな予感を感じ取っている。
それは、今日、サアヤと共に教室に行けば、きっと何かがいい方向に変わっていってくれるような気がする……そんな予感。沙綾がアクションを起こして、それをもうひとりの香澄が受け取って、何かを届けてくれるんじゃないかっていう、確信めいた予感だ。
114:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:02:50.40 ID:YWfCY9A20
それからふたりは肩を並べて学校を目指す。
道すがら、サアヤはずっと俯ぎがちで言葉も少なかった。香澄が何かを話しかければそれに言葉を返すけど、自分から何かを話そうということはなかった。
115:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:03:32.26 ID:YWfCY9A20
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116:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:04:07.62 ID:YWfCY9A20
気が付くと学校に着いていた。どうしようもない自己嫌悪を抱えながら歩く通学路はいつもよりも長かったような気がしたけど、時計を見るとかえっていつもよりも短い時間で着いたようだ。反応が薄くともめげずに色んな話題を持ちかけてくるカスミと共に、沙綾は自分の教室を目指す。
相変わらず朝の光は眩しい。そのせいで、廊下の隅っこにわだかまる影が余計に鼻につく。
117:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:04:41.84 ID:YWfCY9A20
――沙綾ちゃんへ。
118:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:05:38.70 ID:YWfCY9A20
【泣き虫のテーマ(仮)】
119:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:06:05.09 ID:YWfCY9A20
雲の日でも太陽が好きだった
どんなに陰ってても 温もりは優しく
120:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:07:05.17 ID:YWfCY9A20
香澄ちゃんの字があった。有咲ちゃんの字があった。りみちゃんの字があった。たえちゃんの字があった。きっと顔を寄せ合って、フレーズごとに分担してみんなで書いたんだろう。そのシーンがありありと目に浮かぶ。
『これが沙綾ちゃんへの歌!』って、香澄ちゃんがみんなに詩を見せる。
121:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:07:37.22 ID:YWfCY9A20
『さぁ、沙綾ちゃんの番!』
『最後は沙綾に任せるわ』
122:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:08:27.55 ID:YWfCY9A20
私はずっとずっと逃げ続けていた。この世界からも、もしも入れ替わったらなんていう非常識な現実からも目を背けていた。夢を見ているみたいに、都合のいい部分だけをかすめ取ろうとしていた。
心に引っかかる得体のしれないもの。出所不明の寂しさとか、奇妙な安心とか、母親の背中に投げた「ごめんなさい」とか。
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