134: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:32:52.77 ID:xnInN/pyO
曜「だったら──」
月「でも時と場合によっては、決まり事を破らなくちゃならないことだってある。違う?」
曜「それは……なくはないけど」
135: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:33:52.04 ID:xnInN/pyO
月「『千歌ちゃんと梨子ちゃんから、お互いの記憶を消すため』、だよ」
ようよし「「は?」」
頭の中に大きな疑問符が浮かんだのも束の間、すぐにそれがいったいどんな意味を持つのかが次々と想像できてしまった
136: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:34:55.01 ID:xnInN/pyO
月「正確には『曜ちゃんの長年の夢を叶えてあげる』ために、ねっ♪」
善子「長年の夢?」
曜「ま、まさか……」
137: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:35:56.50 ID:xnInN/pyO
曜「それは……千歌ちゃんを誰よりも笑顔にしてあげられるのは、梨子ちゃんだからで……」
そうだ、私にとっては千歌ちゃんが笑顔でいられることが、何よりも大切なんだ
千歌ちゃんが満ち足りた気持ちでいられるなら、何も隣にいるのが私である必要なんて──、
138: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:37:07.24 ID:xnInN/pyO
月「そうだったね。あの後から、梨子ちゃんの話題もたびたび出るようになったしね」
曜「でしょ。だから梨子ちゃんのことは認めて──」
月「でもさ、そんなあっさり諦めがつくものだったの? 曜ちゃんから千歌ちゃんへの想いはさぁ?」
139: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:38:09.21 ID:xnInN/pyO
善子「エゴの押し付けもいい加減にしなさいよ! まだ私達のこと、大してわかってないクセに!」
月「善子ちゃん、僕は曜ちゃんと話してるの。部外者が出しゃばらないでくれないかな?」
背筋が震えるほど冷たい声色で、かつ淡々と月ちゃんが善子ちゃんを拒絶する
140: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:39:16.89 ID:xnInN/pyO
大切な人の痛みや苦しみに寄り添える善子ちゃんの訴えのおかげで、私も少しずつ冷静さを取り戻してきた
どうやら花丸ちゃんの記憶が消されたのは月ちゃんの指示によるものではなく、彼女としても想定外の事態だったようだ
善子「だから私はアンタを許せない。ずら丸の仇、討たせてもらうわ!」
141: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:40:16.76 ID:xnInN/pyO
いい加減、自分の考えをしっかり固めなくちゃ駄目だろ、渡辺曜!
私の中の良心が強く訴えてくる
そうだ、でなくちゃ誰に対しても不誠実だ!
142: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:41:21.72 ID:xnInN/pyO
曜「わかってる、わかってるよ……でも最近はルビィちゃんの良さもわかってきたから。未練は断ち切れそうだから」
彼女の献身さ、私の本心を知った上での一途さと寛容さ、みのりちゃんの挑発にも臆さない肝の強さ……
彼女はこれからもっともっと素敵な女性へ成長してゆくに違いない
143: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:43:30.95 ID:xnInN/pyO
曜「月ちゃんは『私が可哀想だ』って言うけど、そう思うなら『千歌ちゃんと梨子ちゃんの仲を引き裂くことは可哀想だ』って思えないの? 思わないの?」
従姉妹だから私を贔屓目で見るのは仕方ない
でも「特別親しい人のために、知り合ったばかりの人達を犠牲にしても構わない」なんて考え、普通に狂っているから
144: ◆EU9aNh.N46
2019/04/05(金) 05:44:14.74 ID:xnInN/pyO
曜「私はそんなの耐えられない。私が幸せになるために……千歌ちゃんと梨子ちゃんが過ごした1年がなかったことにされるなんて……」
だからこそ、私はあの「理想世界の夢」をおぞましい空間だと震えたのだ
曜「2人が悲しい思いをしなければそれでいい、じゃないの! 私が悲しい思いをするっての! わかる?」
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