男「この俺に全ての幼女刀を保護しろと」
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276:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:03:15.56 ID:QarN0Zl90
紺之介の事情を直感で拾った茢楠は一つ咳払いをして彼を案内した。

茢楠「成る程。では、話はあちらで……」

刃踏「先生……?」
以下略 AAS



277:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:04:03.70 ID:QarN0Zl90
……………………

茢楠「先ほどから気になってはいましたがもしやそのお二方は……」

乱怒攻流「ええ、あたしは乱怒攻流。まぁ刃踏の知り合いってとこね」
以下略 AAS



278:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:04:56.78 ID:QarN0Zl90
連られた別室の床で胡座をかきながら紺之介らは淡々と名を、そしてここまでの経緯を語った。
その一方で茢楠と名乗った男も紺之介の名を聞き覚えのあるものだったと告白した。
都から持ち出された伝説が一刀幼刀 刃踏-ばぶみ-は持ち出した梅雨離最高本人の手からこの茢楠に渡されていたのである。

茢楠は紺之介の話を耳に入れながらその時≠ェ来てしまったのかと若干の感嘆に浸りながらも表情は僧なりにその運命を無情に受け入れていた。


279:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:05:33.36 ID:QarN0Zl90
茢楠「話は大体理解できました。幼刀奴を引き入れ都にまた刀を集めるにはフミの協力が不可欠と……いうわけですね。分かりました。彼女にも話してみましょう」

茢楠が何かを諦めたかのように目を閉じ、床を遅緩な動作で立ち上がる様子から愛栗子は目を離せずにいた。

愛栗子(まぁ、そうなるのも無理はなさそうじゃの)
以下略 AAS



280:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:06:08.32 ID:QarN0Zl90
紺之介「待て」

だがその男を引き止めてしまったのは意外にも紺之介だった。

茢楠「……はい?」
以下略 AAS



281:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:06:39.27 ID:QarN0Zl90
彼の言葉にしばらく間を抜かした茢楠であったが再び座り直すと己への戒めのつもりだったのか、はたまた僧故の温厚さか、快く紺之介の要望に応えることとした。

茢楠「ええいいでしょう。やはり、気になってしまいますよね」

乱怒攻流「まぁいいんじゃない? 本人もああ言ってるんだし」
以下略 AAS



282:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:07:08.97 ID:QarN0Zl90
茢楠「はは……自分で言うのもなんなんですけどね。私、今でこそ坊主の面を被らせて頂いておりますが、昔はどうしようもない荒くれ者だったのです」

紺之介「荒くれ者……?」

紺之介思わず床に視線を落としそのまま上へ上へと茢楠を見直して行く。
以下略 AAS



283:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:07:43.30 ID:QarN0Zl90
乱怒攻流「あんたが荒くれ者ね〜……想像もつかないわ」

茢楠「お褒めに預かり光栄にございます。そう言ってくださると、この自責に費やした十の年月に意味があったのだと……奢ってしまいそうになります」

紺之介(荒くれ者……十年の自責……もしや最初に感じたこいつの歪みはそれか)
以下略 AAS



284:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:08:25.79 ID:QarN0Zl90
茢楠「この世に絶望し、ただ暴力を振るうのだけが取り柄だった私はある日流浪の剣士と出会いました。それが」

紺之介「梅雨離 最高、だな」

紺之介、展開を急かす様にして口を割る。
以下略 AAS



285:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:09:03.77 ID:QarN0Zl90
茢楠「私は最高さんの護衛剣術に宿る『守るための強さ』に惹かれましてね。彼に弟子入りを頼んだのですがそれもまた断られてしまいまして……ああ、私の過去は思い出せば恥ずべきことばかりですね」

紺之介「続けてくれ」

茢楠「ん、失礼。ですがその代わりに最高さんは『守るための強さならこいつが教えてくれる』と言ってフミを私に預けてくださいました」
以下略 AAS



286:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 18:10:44.27 ID:QarN0Zl90
茢楠「フミは私に優しさを教えてくれました。時には誰かを助け、そうして時には誰かに無理せず寄りかかること……自らがその依り代たる器になること。私は誓いました。その『誰か』を必要としたフミがすがる先は、私自身になることを」

茢楠「それほどまでに、愛しているんです。彼女を」

乱怒攻流「ふーん……ぁいたっ、何すんのよ!」
以下略 AAS



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