弟「はだかでうろつかないでよ!」姉「えー」
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132:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:55:06.93 ID:OvpWhSduo
風が吹きつのり、空は一面真っ黒にそまって気味悪く光っている。

目が痛い。砂とほこりで喉と鼻の粘膜がひりひりする。

胸の上に、何か重いものが乗っていた。
以下略 AAS



133:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:56:47.14 ID:OvpWhSduo
犬の一種であることな間違いなかった。

しかし、根っからの野犬であるのか、飼い主をはなれた迷い犬であるのかは分からない。

泥にまみれ、目は赤く充血し、痴呆めいて伏し目がちであった。
以下略 AAS



134:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 20:00:45.75 ID:OvpWhSduo
弟は野犬が自分に向かってくるのを見ると、くるりと向きを変えて走った。

ひと掻き、ひと咬みは死を意味している気がしていた。

野犬が背後に迫る足音が聞こえ、やがてその足音がふっと途絶えた時、弟はそれが地を蹴って跳躍したことを知った。
以下略 AAS



135:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 20:02:46.00 ID:OvpWhSduo
悲鳴と怒号が混ざりあった絶叫が、夜の街中にこだました。

弟は、自分をアスファルトに押し付けているものがふいに離れるのを感じた。

灰色のパーカーとジーンズ姿の姉が、自分のすぐ近くで怪物と揉み合っていた。
以下略 AAS



136:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 23:00:46.52 ID:OvpWhSduo
野犬が姉の肩に咬みついた。

強力な顎でむきだしの肌を咬み破り、腱を針金のように引っ張る。

血がほとばしった。
以下略 AAS



137:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 23:12:59.97 ID:OvpWhSduo
姉は右手の拳を握りしめ大きく振り回し、野犬の下顎に命中させた。

それはまぐれ当たりに近かった。

深い咬傷のために火がついたように痛んでいる肩まで衝撃が走った。
以下略 AAS



138:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 23:42:25.21 ID:OvpWhSduo
姉は震えながら立ち上がり、辺りを見回し弟の姿がないのを確認した。

無事逃げ果せることができたようだ。

少し安堵しながら怪物から目を離さずに後ずさり始めた。
以下略 AAS



139:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 23:50:53.40 ID:OvpWhSduo
弟「大丈夫!?」

姉「バカ!戻ってくんな!」ハァハァ

弟「今近所の人におまわりさん呼んでもらったから…!」
以下略 AAS



140:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 23:59:13.45 ID:OvpWhSduo
姉(ちくしょう。噛まれた。噛まれた。噛まれた!!)

姉(まさか狂犬病持ちじゃないよな…くそ!)

ポタポタ…
以下略 AAS



141:名無しNIPPER[saga]
2019/02/14(木) 00:04:21.76 ID:scTEIUsao
姉「」ガク

弟「姉ちゃん!」

ウォン!ウォンウォン!!
以下略 AAS



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