132:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:55:06.93 ID:OvpWhSduo
風が吹きつのり、空は一面真っ黒にそまって気味悪く光っている。
目が痛い。砂とほこりで喉と鼻の粘膜がひりひりする。
胸の上に、何か重いものが乗っていた。
胸に両足をかけて、弟の顔にのしかかり、ひやりとするものを鼻の裏に押し付けてくる。
ぜいぜいという荒い息づかいが、弟のすぐ耳の下で聞こえた。
咄嗟に肘をあげて、相手の脇腹を右にはらい、膝を内側に折りまげながら体を左にまわして跳ね起きた。
だが相手は、それよりも早く飛びのいていた。
5,6歩向こうから低く首をたれ、探るような目つきでこちらを見つめていた。
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