133:名無しNIPPER[saga]
2019/02/13(水) 19:56:47.14 ID:OvpWhSduo
犬の一種であることな間違いなかった。
しかし、根っからの野犬であるのか、飼い主をはなれた迷い犬であるのかは分からない。
泥にまみれ、目は赤く充血し、痴呆めいて伏し目がちであった。
弟よりも巨大であった。
痩せ細った身体はあばら骨が浮き出ており、それと比べて頭は不恰好なくらいに大きく見えた。
沼地で転げ回ったかのように毛皮には茶色がかった緑色の泥がこびりついている。
鼻面に皺を寄せて恐ろしげに牙をむくのを見て、弟はぞっとして体を硬直させた。
牙の間から白いあぶくがゆっくりと滴った。
野犬は病に犯されていた。
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