56: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:34:54.90 ID:oG3MxUaR0
『彼女の心はバラバラに砕けて、彼女の心象世界に散らばっている。それを集めるゲームをするんだ』
『ゲーム……』
『僕は君にチャンスを与えるだけ。直接彼女を救うのはあくまで君だから、対価は軽くて済むんだよ』
57: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:35:37.66 ID:oG3MxUaR0
そして俺は悲哀の感情を悪魔に売り渡し、彼女に関する何もかもを忘れてゲームを始めた。
俺が死にかけた理由は――なんだったかな。
58: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:36:31.01 ID:oG3MxUaR0
「やあ、気分はどうだい」
ヴァルクとそっくりな顔が笑う。
見た目は25歳くらいだ。
59: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:37:43.02 ID:oG3MxUaR0
「……あの男を見つけたらワープする能力が欲しい」
「良いだろう。対価は……そうだね、君の過去の悲哀の感情を頂こうか」
「構わない」
「鮮度が落ちるし、君という人格が壊れない程度にしか吸えないから、無制限の能力にはできない。精々、1回の睡眠につき3回までだ」
60: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:38:09.09 ID:oG3MxUaR0
少し画質の悪いポリゴンで作られているような見た目の窓に手を触れた。
そういえば、彼女は窓が好きで好きで仕方がなくて、いちいちアニメやゲームの窓のキャプチャを撮って保存していたっけな。
61: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:38:44.46 ID:oG3MxUaR0
「絵夢の冒険記」の主な舞台は、いかにも異世界らしい異世界だ。
だが、終盤はこの白い星に移動し、ラスボスと戦う展開となっている。
何かが近づいてくる音がした。それも、大量だ。
62: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:39:12.41 ID:oG3MxUaR0
逃げても、逃げても、逃げても、うじゃうじゃ沸いて追いかけてくる。
建物の中に逃げ込んで、扉を閉めた。だが、俺の足元からもうにゅっと幽霊みたいに生えてきた。
アニメじゃこんな物理法則を無視した現れ方はしてなかったってのに!
63: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/14(水) 19:39:46.85 ID:oG3MxUaR0
続
64: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/15(木) 23:58:35.13 ID:5y9FZK0b0
【4】
「ここなら安全です」
65: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/15(木) 23:59:01.77 ID:5y9FZK0b0
「あなたはこの世界の主を救おうとしている。だから、手助けをしたいんです」
11歳の綺麗な瞳は、いくらか俺の精神を癒してくれた。
66: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/15(木) 23:59:29.46 ID:5y9FZK0b0
絵夢が風の魔法を放った。
しかし、フードの男は大してダメージを受ける様子もなく突進してくる。
ガキィン!
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