11: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:55:20.97 ID:/ibNvBIF0
洞窟の構造がなんとなくわかった。これも「夢覚」とかいうやつだろうか。
左手の道を進めば、写真がたくさん飾られた場所へ出る。
中央の道は動画の保管庫で、その次は文章を記したノート置き場。
一番右は気に入った音楽をいつでも聞ける空間だ。
12: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:56:00.09 ID:/ibNvBIF0
女の子がクラッカーを鳴らした。顔の部分はぼやけていて見えない。
だが、さっきの女の子の声と同じ声色だった。
テーブルの上には、誕生ケーキや、何品もの料理が並べられている。
13: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:56:31.99 ID:/ibNvBIF0
女の子が消えた。同時に、その場に存在していたはずの部屋も消え去った。
代わりに視界に広がったのは、灰色の洞窟。地面には、キラリと光る何かが落ちていた。
触れてみると暖かくて、でも何故だか切ない。
14: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:57:14.87 ID:/ibNvBIF0
――
――――――――
窓から朝日が差し込んでいる。
奇妙な夢を見たなと思いながら、俺は体を起こした。現実感が精神に馴染んでいく。
15: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:57:50.25 ID:/ibNvBIF0
続
16:名無しNIPPER[sage]
2018/11/12(月) 22:21:40.49 ID:7d7Eot6ZO
期待
17: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 20:52:48.53 ID:c+BVrGz60
【2】
「お前も大変だよなあ」
18: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 20:53:20.66 ID:c+BVrGz60
「やあ、また会ったね」
俺は再び心象世界を訪れていた。景色は昨晩と一緒だ。
唯一違っているのは、クォ・ヴァディスの姿だった。
19: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 20:56:43.21 ID:c+BVrGz60
「さあ、今宵はどの窓を旅するんだい?」
声変わり前の少年の声が問いかける。
20: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 20:57:52.80 ID:c+BVrGz60
進めば進むほど闇は深くなっていく。
だが、宝石が燐光のような光を放っていて綺麗だ。
突然嫌な予感がして、俺はしゃがみこんだ。
21: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 20:58:34.61 ID:c+BVrGz60
ここは洞窟の中だが、雨でも降らないかとイメージしてみた。
すると、雨雲が現れてザーザーと雨が降り始めた。
カルサイトは輝きを失っていき、動かなくなる。
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