17: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/13(火) 20:52:48.53 ID:c+BVrGz60
【2】
「お前も大変だよなあ」
昼休憩中、同僚の坂田に声をかけられた。
「何がだ?」
「何が、って……お前、この前まですっかり憔悴してたってのに、今日は顔色いいんだな」
何を心配されているのかよくわからなかった。
「怪我の方も、もういいのか?」
「え、俺、怪我なんてしてたっけ? ……いって」
少しだけ腹が痛んだ。
「おい……大丈夫かよ」
坂田は心配そうな顔をしていたが、その後は適当に雑談をして仕事に戻った。
そして家に帰り、適当に夕飯を作る。
お気に入りの深い青緑色のガラス皿に食事を盛ると、少しだけ気分が明るくなった。
それからシャワーをした。
いつも通りの日常。同じことの繰り返し。だが、腹には見覚えのない傷跡があった。
洗面所にはコップが2つ並んでいて、それぞれに歯ブラシが入っている。
片方には硬さが「やわらかい」の歯ブラシで、もう片方は「ふつう」だ。
俺は「ふつう」の方の歯ブラシを手に取り、歯磨きをしてから布団に入った。
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