11: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:55:20.97 ID:/ibNvBIF0
洞窟の構造がなんとなくわかった。これも「夢覚」とかいうやつだろうか。
左手の道を進めば、写真がたくさん飾られた場所へ出る。
中央の道は動画の保管庫で、その次は文章を記したノート置き場。
一番右は気に入った音楽をいつでも聞ける空間だ。
行ってもいないのに、俺は既に知っていた。
目当てのものは、こちらにはない。
後方へ目をやると、来た道とは別の道があった。そうだ、こっちだ。
本当はノート置き場にあったはずのデータ。
保存場所を間違えたか、気づかない内にドラッグしてしまったかで、意図しない場所に置き去られてしまったもの。
道の明るさが少しずつ増していく。
見覚えのある扉が見えた。一体何処の家の扉なのかは思い出せない。
でも、俺はこの扉を開ける度、心が暖かくなっていたような記憶がある。
「お誕生日おめでとう!」
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