5:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:01:37.32 ID:Q33A0XWw0
===
さて、一旦このみさんと別れると、俺は劇場の見回りを再開した。
足早に歩きながら窓の戸締りに忘れ物の確認。
6:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:02:27.01 ID:Q33A0XWw0
だから一声かけておかないとな、なんて扉を開けて中に入った瞬間だ。
「危ないっ!」
7:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:03:23.20 ID:Q33A0XWw0
「なんですか、じゃないだろう。質問したいのはこっちの方さ」
言って、乱れた髪を恥ずかしそうに直す彼女の前まで歩いて行く。
8:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:04:29.06 ID:Q33A0XWw0
事前に慣れておこうと思ったんです、琴葉の言い分とはそういうものだった。
でも、だからって一人きりでこんな。
9:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:05:07.31 ID:Q33A0XWw0
「……だから、今度からは俺に一声かけるように」
「えっ?」
10:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:06:16.95 ID:Q33A0XWw0
笑って彼女の後ろに回る。足元には万が一のマットレス。
少しだけ腰を落としたなら「いつでもいいぞ」と声をかける。
――しかし、自分から提案しておいてなんだけれど、
11:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:07:16.40 ID:Q33A0XWw0
――が、そのまま俺はしりもちをついて。
「きゃっ!?」
12:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:07:59.59 ID:Q33A0XWw0
なんて、彼女は謝るように言うのだけど、その体はだんだん俺の胸の上で重さを増していくようだし、
なんならさっきよりも少し、彼女の座っている位置が深くなっているような気だってする。
するとその、密着なんて言葉すら生ぬるい程に近づきすぎた二人の距離は、
13:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:08:51.42 ID:Q33A0XWw0
「こ、琴葉? ……そろそろ落ち着いたんじゃないか」
だからこそ俺は、抑止の意味も込めて彼女に声かけたのだけど。
14:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:09:43.84 ID:Q33A0XWw0
けたたましい電子音に驚き琴葉が素早く飛び退いた。
俺も慌ててポケットをまさぐった。
取り出したスマホの画面に『このみさん』の文字。
15:名無しNIPPER[sage]
2018/10/31(水) 20:10:31.33 ID:Q33A0XWw0
「また私、プロデューサーにご迷惑を……」
そう言う彼女の顔は暗い。
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