23: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 00:17:17.80 ID:TYKVB7XU0
歌い始める。緑色、私をイメージした色のペンライトが、大きく、ゆっくりと揺れていく
『always』の歌詞とメロディが、私の中の全部を、緑色の麓まで運んでいく
24: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 00:18:06.39 ID:TYKVB7XU0
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25: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 00:18:39.54 ID:TYKVB7XU0
宴もたけなわ、そろそろお開き。結局、この間に彼と話すことは出来なかった。
奈緒ちゃんのプロデューサーが泥酔している人たちのためにタクシーを呼んでいる。大変だなあの人も
26: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 00:31:53.66 ID:TYKVB7XU0
踵をそろえて歩く。こつこつという音が、二人分響いた
「電車に乗る?」
27: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 01:01:52.55 ID:TYKVB7XU0
また裏路地に入る。人通りはほとんど無くて、たまにランニング中の人とすれ違う程度。
「……いろいろ、思い出しちゃったな」
28: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 01:24:21.93 ID:TYKVB7XU0
◆◇◆
荒木比奈は王道が好きだ。ベタで、よくあるようで、みんなが好きなようなものが好きだ。この五年間で、僕はそういう風に彼女の事を捉えていた
29: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 01:25:43.88 ID:TYKVB7XU0
比奈のマンション前まで来る。流石に涙は引っ込んでいた。代わりに恥ずかしさとか、いたたまれなさが僕らの間にあった
僕の、プロデューサーとしての最後の仕事は、比奈を無事家まで送り届けること。それまで、涙を流したくなかったのにな
30: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 01:44:45.20 ID:TYKVB7XU0
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31: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 02:01:48.47 ID:TYKVB7XU0
『どうしてそう決めたのか。いつ頃から考えていたのか。詳しく訊かせてほしい』
ちょっと昔のことを思い出す。私が引退する意志を彼に告げた時、彼は真剣な顔で私をみていたんだ
32: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 02:02:20.34 ID:TYKVB7XU0
私の中に生まれた、もう一つのやりたいこと。それのために、アイドルをやめる決断をしたこと。彼はそれを尊重してくれた
だから、私の背中を押してくれた彼のためにも、なにより私自身のためにも、私は筆をとる。これから先、5年間よりももっと長い時間を。
33: ◆U.8lOt6xMsuG[sage]
2018/10/19(金) 02:02:50.28 ID:TYKVB7XU0
ここまでです、ながいあいだありがとうございました
いいか?
爆死した青羽もお前も、プリペイドカードを購入した時点でもう人間じゃないんだよ。だからお前は兵器を壊したにすぎない
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