23: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:51:45.00 ID:+QmI8LWq0
二階。扉は4つ。
そのうちの1つは、隣の扉と階段との間隔から2つ目のトイレ。
まゆは3つのうち、もっとも空間が広いであろう部屋に入った。
まず目に入ったのは、書棚。書棚が壁の代わりのように配置されている。
24: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:52:21.59 ID:+QmI8LWq0
隣の扉を開けると、そこは寝室だった。
ベッドがある。
だが、まゆはそこがすぐに寝室だとは思わなかった。
部屋のなかにはおびただしい量のプレゼントが置かれている。
25: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:53:05.04 ID:+QmI8LWq0
あとは……。
まゆは残りの部屋を開けた。予想は的中した。
衣装部屋。ドアの正面に姿見がある。
まゆは、プロデューサーの私服姿を想像し、いてもたってもいられなくなり、探索を開始した。
26: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:54:13.17 ID:+QmI8LWq0
まゆはニット帽ごしに、自分の頭を撫でつけた。
ここまで、プロデューサーの中身が明確にわかるものを、何1つ見つけられていない。
この家を訪れてからまだ1時間も経っていない。
だが不測の事態を考慮すれば、あとはもう一部屋が限界。
27: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:54:50.87 ID:+QmI8LWq0
代わりにまゆは便座を下ろし、腰掛けてみた。
「ひぃっ!」
思わず叫んでしまう。扉に女。
28: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:55:23.96 ID:+QmI8LWq0
玄関のドアスコープから、様子を伺う。
人気はない。ニット帽を外す。
まゆは自分の身体が入る限界のせまさでドアを開け、外に這い出し、即座にドアを閉めた。
合鍵でロック。
29: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:55:52.88 ID:+QmI8LWq0
まゆは動揺していた。
改めて家の中の様子を振り返ってみると、あの家はおかしい。
トイレの鏡。
プロデューサーは自分が大好きなのかも。
30: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:56:25.35 ID:+QmI8LWq0
・・・・・
まゆがプロデューサーの家に“お邪魔をして“から、1ヶ月。
警察が女子寮に“お邪魔する”こともなく、まゆは一切の滞りなく、アイドル活動を続けた。
31: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:57:02.47 ID:+QmI8LWq0
春の陽光が、少し鬱陶しくなる頃。
まゆは、バラエティ番組に出演した。
他の事務所のアイドルが出演するはずだったが突然体調を崩し、まゆに代役の依頼が回ってきた。
32: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:57:52.41 ID:+QmI8LWq0
まゆは表面上はにこにことしながら、内心は焦っていた。
この番組をプロデューサーさんが見たら、まゆにがっかりするかも。
まゆはスカートを、周りから見えないようにぎゅうと摘んだ。
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