24: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:52:21.59 ID:+QmI8LWq0
隣の扉を開けると、そこは寝室だった。
ベッドがある。
だが、まゆはそこがすぐに寝室だとは思わなかった。
部屋のなかにはおびただしい量のプレゼントが置かれている。
散らかっているわけではない。アイドルごとに整然と、山積みになっている。
ベッドの上にも。
この部屋はさわらないほうがいい。
まゆはそう思ったが、ふと、入り口のすぐ横にある、シロクマのぬいぐるみが目に入った。
誰から贈られたものであるのか、一目瞭然だった。
まゆは一瞬、どこか遠いところを見る瞳になって、ぬいぐるみの頭を蹴飛ばした。
「いたっ……」
硬い。綿ではない。
まゆはぬいぐるみを拾い上げて、頭を調べた。
目と目があう。瞬間、それが巧妙に隠されたカメラだと気づいた。
盗撮なんて……犯罪じゃないですか。
まゆは肩を震わせた。
首を捻じ切りたくなる衝動を抑え、ぬいぐるみを元の位置に戻す。
呼吸を整えて、部屋を出る。
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