14:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:18:35.50 ID:eCrKDArS0
当然、凛の噂は卯月の耳にも入ることとなった。
「それ、私も見ました! 血まみれの子が先生を襲ってたところ……」
「えーこわーい」「てかやばくなーい?」
15:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:19:09.56 ID:eCrKDArS0
「わんっ!」
「ぅええ゛っ!? ……っと、と。びっくりしたぁ、なんだワンちゃんかあ」
いきなり背後から吼えられ卯月は飛び上がったが、その正体が小型犬だと分かるとすぐ足を止めて近寄った。
16:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:19:39.30 ID:eCrKDArS0
数分後。
「はぁ はぁ ま、待って……」→「わんっわんっ」→「ひぃ ふぅ も、もうだめ……」
先にダウンしたのは卯月であった。
17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:20:22.31 ID:eCrKDArS0
――――
「――……いきなり逃げ出しちゃったりしてすみません。その、私てっきり……」
「いや、小型犬でも追いかけられたら怖いよね。こっちこそ、ごめんなさい。ほらハナコも謝って」
18:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:21:00.20 ID:eCrKDArS0
「先輩はここで何を?」
「へ? ああ、私よくここでジョギングしてるんです。体力つけなくちゃいけないから」
「ふぅん、ジョギング……部活動ですか?」
19:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:21:30.93 ID:eCrKDArS0
(うぅ、気まずい……帰りたい……)
卯月はもじもじしながらひたすら目の前を流れる川を見つめている。
一方、そんな卯月のいじらしい横顔をなんだか珍しいものを見るような目で観察していた凛は、唐突にある考えを閃かせた。
20:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:22:13.42 ID:eCrKDArS0
(えぇ〜!? と、友達ってつまりどういう……ハッ、もしかして不良仲間になれってこと!?)ガビーン
(あぅ……さすがにいきなりすぎたかな……ちょっと引いてるし)
とはいえ、凛のこのアイデアはそれなりに当てがあり、まったく無謀な提案というわけではなかった。
21:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:22:51.93 ID:eCrKDArS0
「……そういえばまだ自己紹介してなかったっけ。わたし、渋谷凛っていいます。先輩は……?」
「わ、私は島村卯月っていいます。二年三組の」
「じゃあ島村先輩、これからよろしくおねがいします」
22:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:23:22.32 ID:eCrKDArS0
「ハナコもよろしくって」
「わんっ」
「あ、あはは……」
23:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:23:59.35 ID:eCrKDArS0
「渋谷さんは本当にハナコちゃんのことが好きなんですね」
「まあ、ね。……あと、凛でいいよ。名前」
自分で言いながら凛はむず痒そうな顔をした。
24:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:25:23.99 ID:eCrKDArS0
帰宅後。
凛(あ、連絡先聞くの忘れてた……二年三組だっけ。明日行ってみよう)
卯月(どうせなら例の噂のことも聞いてみればよかったかな。でもそれはそれでやっぱり怖いかも……)
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