17:名無しNIPPER[saga]
2018/07/13(金) 08:20:22.31 ID:eCrKDArS0
――――
「――……いきなり逃げ出しちゃったりしてすみません。その、私てっきり……」
「いや、小型犬でも追いかけられたら怖いよね。こっちこそ、ごめんなさい。ほらハナコも謝って」
「クゥン」
(べつに犬が怖くて逃げてたわけじゃないんだけどなぁ)
夕暮れの街並みを背に二人は河原に腰を下ろした。
ハナコは凛に抱かれたまま卯月の方ばかり向いて尻尾を振っている。
卯月はなるべく凛の方は見ず、ハナコに笑いかけるように話した。
(どうしよう……まさか不良さんに絡まれるなんて……私のこと覚えてない、よね?)
「……あの、以前会ったと思うんですけど、覚えてますか?」
「(どしぇー!?) え、えーっと、どうだったか、な……? あはは……」
「あぁ、やっぱり覚えてないか。文化祭前、廊下でいきなり倒れたところを保健室まで運んだんです。あのあと大丈夫でしたか?」
「え? えっと、はい。私はとくになんともなかったですけど……」
「それならよかった」
凛はにっこり笑うとハナコを抱きなおし、優しく撫でた。
その様子を見て、卯月は(もしかしてそんなに怖い人じゃないのかも?)と警戒心を和らげた。
(それに、やっぱり私を助けてくれたのはこの人で間違いないみたいだし……でも、じゃあ……)
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