52: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:11:08.80 ID:LgMjPCNT0
するとエレナちゃんはプーっと頬を膨らませて。
「ならプロデューサーもやってみてヨー!」
53: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:12:50.22 ID:LgMjPCNT0
【三幕 夢を追うなら#3】
まるで突然の出稽古をしているようだった。
自分たちが使う分のシャベルを取りに一旦戻ったプロデューサーは、
54: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:14:47.89 ID:LgMjPCNT0
だけど流石に、六人が一斉に穴を掘るだけのスペースは無い。
でも、劇中でも初めはそんな感じかもしれないとか、シャベルを動かすのはこんな動きなんだとか、
そういったことを一つずつ確認するお喋りをしながら作業は続き。
55: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:16:39.39 ID:LgMjPCNT0
その顔を普段よりもっと真っ赤に照らしたまま、
可憐ちゃんは自分のペースで続きを話す。
「……ほ、本番前に、頑張ろうねって声をかけてもらえると、
56: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:17:49.92 ID:LgMjPCNT0
「可憐ちゃん……」
思わず彼女の名前を呼んだ。
すると少女は照れ臭そうにはにかみながら。
57: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:19:02.28 ID:LgMjPCNT0
「……か、可憐」
「っはい!」
58: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:21:20.57 ID:LgMjPCNT0
【三幕 夢を追うなら#4】
みんなで大きな穴を掘った。飛行機雲が流れる下で私たちは記念撮影をした。
目が潰れるほどの笑顔を撮られるの随分久しぶりのことで、
59: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:22:58.41 ID:LgMjPCNT0
「だからなるべく、後ろ向きな台詞は言いたくありません」
自分で手を加えた台本。紙がくたびれるまで何度も何度も読み直したそれを、
私は一度目の通し稽古終わり、木無塚さんに呼び出された時に持っていった。
60: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:24:33.45 ID:LgMjPCNT0
「それは、それこそ私の演じるシャベルの娘だと思ったからです。
初め、木無塚さんはこのお話を当て書きだって教えてくれました。
だったら私の演じるこの役は、もっと私に寄せても良いだろうと」
61: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 17:25:30.37 ID:LgMjPCNT0
「作り笑いを覚えたのかい?」
意地悪そうに木無塚さんが言う。
私は「いいえ」と首を振ると、絶対の自信をもってこう答えた。
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