69: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 20:09:36.58 ID:8SEhTK000
「東郷!何をしとる!敵がそこまで来とるんじゃぞ!」
「友奈ちゃん、このまま私たちが戦い続けるなんておかしいよ…
世界を救うために戦った私たちだけが傷付いて、それなのに誰からも労われず、感謝もされず…
70: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 20:19:07.78 ID:8SEhTK000
…しかし、何秒経っても光線の衝撃がくる気配はない。
不思議に感じた勇者部がその瞳をゆっくりと開く。
彼女たちの眼前に現れたのは、巨大な、馬鹿馬鹿しいほどに巨大な赤い掌だった。
その掌が、勇者部をラ=グースの光線から守ったのである。
その正体をいち早く察した友奈が、笑みを浮かべながら叫ぶ。
71: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 20:28:10.40 ID:8SEhTK000
ゲッターエンペラーの背中を見送った友奈は、東郷の両肩にそっと手を乗せ、静かに語りかける。
「落ち着くんじゃ東郷。この戦いが終われば、全てが終わる。
もう勇者として戦い続ける必要もないんじゃ」
72: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 20:33:04.85 ID:8SEhTK000
「東郷。わしは口下手じゃから、お前が納得できるように説得する事などできん。
じゃがのう、気合だけなら誰にも負けんつもりじゃ。
どうじゃ?そんなわしの魂を込めたキスでも、まだ納得してもらえんか?」
73: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 21:04:31.16 ID:8SEhTK000
「友奈ちゃん、これって…」
「ああ、ゲッター線じゃ!」
74: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 21:13:48.25 ID:8SEhTK000
「遅くなってすまんのう!結城友奈、東郷美森、ただいま到着じゃ!」
戦いの場へ駆けつけるなり、ゲッターエンペラーへと声を掛ける友奈。
ゲッターエンペラーと比肩するまでに巨大化した友奈の姿に、当然のごとく風たちは驚愕する。
75: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 21:23:33.53 ID:8SEhTK000
ラ=グースと対峙した友奈が、静かに、ゆっくりと口を開いた。
「いいか、ラ=グース…わしだって自分の日本国(シマウチ)で大量の人間を殺させるわけにはいかねえ!!
それだけはさせねぇ!!命を張ってでもさせねぇ…なぜなら!!
76: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 21:32:22.80 ID:8SEhTK000
「私の手にかかれば、惑星のひとつやふたつ破壊する事など造作もない。
それどころか宇宙でさえ、私にとっては積み上げるのも壊すのも自由な積み木のような物だ。
きさまら人類など、その積み木の中の、さらにちっぽけな惑星にすむウジ虫だ。
これで分かったか?きさまら低能の無知共が、いくら私に向かっても、私を倒せはしない。
この私に、誰も手を出せない。神だろうと仏だろうとな。
77: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 21:39:05.73 ID:8SEhTK000
「うおりゃあああああああ!!」
雄叫びを上げながらマシンガンを乱射する友奈。
さらに背後には満開時の東郷の武装であるビーム砲を無数に展開し、一斉射撃を行う。
ラ=グースはそれらの射撃を回避し、回避が間に合わない分は指先から光線を発射して迎撃する。
78: ◆BHtXRZieJ2[saga]
2018/06/24(日) 21:47:47.59 ID:8SEhTK000
(友奈ちゃん、すごい…あんな怪物を圧倒するなんて…)
東郷は心の中で、友奈の度胸に感嘆していた。
それと同時に、これほど狂人じみた友奈と戦わねばならないラ=グースに、自業自得とはいえわずかに同情したのだった。
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