6:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:32:03.36 ID:420CtvZa0
あら、今日は確か来客の予定はなかったはずだから、宅配便?それとも……ウチの娘の誰かが戻ってきたのかしら?と、自問する間に、覚えのある声が聞こえてきました。
「戻ったわよー」
7:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:35:36.80 ID:420CtvZa0
伊織 「あら、小鳥。出迎えなんていい心掛けじゃない♪」
にひひ♪とこちらへ笑いかけていたのは、やっぱり伊織ちゃんでした。うんうん、あんな可愛らしい声を、私が聞き違えるなんてあり得ないもの♪
小鳥 「おかえり、伊織ちゃん。随分早く終わったのね」
8:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:39:27.78 ID:420CtvZa0
さぁて、ここからもう一頑張りといきますか!ぐいーっと背筋を伸ばしながら、領収書の山が待つ机へと体を戻しましょう。
伊織 「あら、千早もいたのね」
千早 「おかえりなさい、水瀬さん」
9:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:40:58.87 ID:420CtvZa0
そこからしばらく、二人の間ではゆっくりとした時間が流れていたことでしょう。
ペラペラと雑誌か何かを捲る音、時折交わされる一言二言の短いやり取り、ちょっと恥ずかしそうな、小さな笑い声──きっと街外れの隠れ家めいた喫茶店が似合うに違いありません。今度のグラビア案に、って律子さんに提案してみようかしら……。
10:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:41:43.72 ID:420CtvZa0
ところが、その時間は唐突に終わりを告げたのです。
11:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:43:32.65 ID:420CtvZa0
“それ”が起きたのは、領収書の山がようやく三分の一くらいは減ったかなぁという頃合いでした。
伊織 「──ちょっといいかしら」
12:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:44:29.69 ID:420CtvZa0
それでなくたって、普段は見れない二人の、とーっっっても貴重な絡みなんです。それを放っておいて仕事に戻るなんて、そんなもったいない事できますか!?いいえ、私にはできません!
それに、もしもですよ?もしも万が一にも気まずくなったりしちゃったら、間に入って何とかするのが、お姉さんである私の義務でしょう!?えぇ、義務でしょうとも!
13:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:48:02.52 ID:420CtvZa0
さて、そ〜っとパーテーションの陰から覗きみると、ちょうど楽譜を置いた千早ちゃんが、伊織ちゃんの方へと向き直った所でした。
ふ〜良かった〜、初めからじっくりと見れちゃうわね。ちょっと不謹慎ですけど、だんだんワクワクしてきちゃいました。この胸の高鳴りが聞こえちゃわないか心配なくらいです……なんて♪
14:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:50:38.74 ID:420CtvZa0
千早 「………………ぇっと」
それは千早ちゃんも同じだったみたいです。目を真ん丸にしてましたけど、すぐに気を取り直して話しかけます。
15:名無しNIPPER[saga]
2018/06/12(火) 02:52:40.75 ID:420CtvZa0
勿論、そんな私を他所に話は続きます。
千早 「……貴女が突然そんな事を言い出した理由を、聞いてもいいかしら?」
伊織 「理由?そうね……」
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