1: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:45:35.17 ID:m7wvDgMq0
画面いっぱいに映し出された週間天気予報は、日本のどこの地名を見ても傘のマークだらけだった。
次に地図へと画面が移り変わり、キャスターの人が画面をぽん、と叩く。
『本日午前八時ごろ発生した台風――号は明日には本州に上陸する見込みであり……』
日本の左下当たりを指し示し、そこからの予想される進路を淡々と説明していった。
憂鬱だ。
小さくため息を吐いて、ソファへ深めに座り直した。
全体重をソファへと預けて、仰け反るように後方を見る。
私のプロデューサーは、自分のデスクで忙しそうにキーボードを叩いていた。
今はちょっと構ってもらえそうにないな、とプロデューサーで暇を潰すことを断念した。
座ったままの状態で、手の感触だけを頼りにマガジンラックから雑誌を抜き取る。
ファッション誌だった。
まぁ、なんでもいいかと膝の上で開き、ぱらぱらと眺めることにした。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:46:59.61 ID:m7wvDgMq0
○
やはり、というか何というか、手に取ったファッション誌は梅雨の特集が組まれている。
3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:48:00.85 ID:m7wvDgMq0
○
「お洒落なレインコートなんてのもあるんだな」
4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:48:44.86 ID:m7wvDgMq0
○
「それで、何の用事?」
5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:49:23.53 ID:m7wvDgMq0
○
「そういえば、なんでレインコートなんて見てたの?」
6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:51:30.97 ID:m7wvDgMq0
○
「んじゃ、帰り支度してくるよ」
7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:52:14.34 ID:m7wvDgMq0
○
いつの間にか、意識を手放してしまっていたらしい。
8: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:52:52.57 ID:m7wvDgMq0
○
「……おはよ?」
9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:53:30.99 ID:m7wvDgMq0
○
ばさり、ばさり。
10: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:54:00.94 ID:m7wvDgMq0
○
駐車場に着いて、後部座席の足元に傘をずぼっと投げ込むようにして、助手席に乗り込む。
16Res/11.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20