9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:53:30.99 ID:m7wvDgMq0
○
ばさり、ばさり。
私とプロデューサーの傘が少しずれて、開く。
小気味の良いリズムで雨が傘を叩いている。
「ねぇ」
私の呼びかけに、プロデューサーが振り返る。
「プロデューサーは梅雨、好き?」
「んー。どっちかと言えば嫌いかもなぁ。洗濯物干せなかったりするし」
「そっか」
「凛は?」
「うーん。難しいんだよね」
「難しい?」
「うん。ハナコの散歩が大変になるのは嫌だけど、紫陽花は綺麗だと思うし、そんな感じで」
「なるほど。難しいな」
「そう。難しいんだよ」
こうして雨を理由に送ってもらえるのも、ちょっとお得に思っていたりするんだけど、それは言わなくてもいいか。
16Res/11.87 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20