渋谷凛「梅雨のおかげ」
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8: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:52:52.57 ID:m7wvDgMq0



「……おはよ?」

嗄れた声が出た。

「うん。おはよう」

んんっ、と喉を鳴らして声を整える。

「ごめん、なんか寝ちゃったってたみたい」

「はい。チョコレート」

私の謝罪を無視して、プロデューサーは脈絡なくポケットからチョコレートを取り出す。

そしてそれを、私の口もとに運んだ。

寝起きということもあり、考えなしでぱくりと口に入れた。

舌の上でゆったり溶けて、甘さが口いっぱいに広がる。

ごくん、と飲み込んだ。

「あまい」

「そりゃ甘いよ、チョコだし」

「うん」

「まだぼーっとしてるな」

「? そうかな」

「あはは、まぁいいや。帰ろうか。送ってくよ」

「うん」



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