渋谷凛「梅雨のおかげ」
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3: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:48:00.85 ID:m7wvDgMq0



「お洒落なレインコートなんてのもあるんだな」

背後から不意に声をかけられ振り返ったところ、ごちん、と頭をぶつけた。

「いで」と「いたぁ」という二つの声が重なる。

今度はゆっくり振り返り、顔を上げる。

「なんだ、プロデューサーか。……っていうか、痛いんだけど」

声の主を確認して、苦情を言う。

「ごめんごめん。なんだ、って酷いなぁ。もうちょっと歓迎してくれてもいいのに」

プロデューサーは悪びれもせずに、私の座っているソファに肘をかけた。

そうして膝の上の雑誌を指して「お洒落の勉強中?」と茶化してきた。

雑誌を閉じて、それで鼻面を軽く叩いてやる。

またしてもプロデューサーは「いで」と言った。



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