渋谷凛「梅雨のおかげ」
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1: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/06/11(月) 00:45:35.17 ID:m7wvDgMq0

画面いっぱいに映し出された週間天気予報は、日本のどこの地名を見ても傘のマークだらけだった。

次に地図へと画面が移り変わり、キャスターの人が画面をぽん、と叩く。

『本日午前八時ごろ発生した台風――号は明日には本州に上陸する見込みであり……』

日本の左下当たりを指し示し、そこからの予想される進路を淡々と説明していった。

憂鬱だ。

小さくため息を吐いて、ソファへ深めに座り直した。

全体重をソファへと預けて、仰け反るように後方を見る。

私のプロデューサーは、自分のデスクで忙しそうにキーボードを叩いていた。

今はちょっと構ってもらえそうにないな、とプロデューサーで暇を潰すことを断念した。

座ったままの状態で、手の感触だけを頼りにマガジンラックから雑誌を抜き取る。

ファッション誌だった。

まぁ、なんでもいいかと膝の上で開き、ぱらぱらと眺めることにした。


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