1: ◆Xz5sQ/W/66[saga sage]
2018/06/02(土) 23:17:03.88 ID:a1Hz17K70
===
注意一秒、怪我一生。
車の運転でもそうだ。
深刻な眠気を覚えるより先に仮眠を取るのは大切だ。
なので、今、今日も今日とて765プロライブ劇場内
第二会議室の席に座るプロデューサーは目頭をキュッと押さえると、「アカン、寝る」なんて口数少なく宣言した。
「もうダメ、もう無理、もう限界だ。……少し、仮眠を取らせてくれ」言って、彼は欠伸まじりに立ち上がると、
壁際に置かれた大きなソファへノロノロノロっと歩いていく。
目も覚めるようなライトグリーンのカバー。
男はその上に沈み込むように横になると、
常備してある自分専用の枕に頭を預けて眉をひそめた。
「……香水の匂いがする」
そして、そのまま寝息を立て始める。すっかり彼が寝てしまうと、
男の行動を黙って見守っていたうちの一人が「では」と遠慮がちに囁いた。
さらに発言の主、田中琴葉は赤毛混じりの長い髪を揺らしながら座っていた席から立ち上がると。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:19:30.48 ID:a1Hz17K70
「ミーティングの方を続けましょう。プロデューサーが資料を用意してくれているので、
残りはこれに沿って進めていきますね」
彼女は予め用意されていた資料を一部ずつ、今回のユニットミーティングの為に
3: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:21:31.89 ID:a1Hz17K70
「あれれ? 志保ちゃん怒ってるの?」
そんな彼女の心境を、ピタリと言い当ててしまう北上麗花。
4: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:23:07.19 ID:a1Hz17K70
そんなプロデューサーの酷い有様を改めて確認する程に、
志保の表情は静かで強い怒りから呆れ、そして哀れみへと徐々に変わっていく。
琴葉が言った。
5: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:24:15.27 ID:a1Hz17K70
「い、痛いっ!! 怖い! でもその後どうなっちゃったんです!?」
「それがね、なんと危機一髪! ギリギリの所で脱げた革靴が、歯と歯の間でガッツーン!」
6: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:26:02.66 ID:a1Hz17K70
「志保ちゃん?」
窺うように名前を呼ばれ、志保はゆっくりと顔を上げた。
7: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:29:00.80 ID:a1Hz17K70
「でも志保ちゃん怒ってたんだよね?」
まさしく彼女の振る舞いは、無人の砂浜を駆け抜けるが如く地雷原を闊歩するようなものだったが、
8: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:37:13.55 ID:a1Hz17K70
とりあえずここまで。
好きな五人を集めてみたら思いのほか動かし辛いという
なのでお布団編へ行く前に、この五人組ユニットへのミーティング議題、
もしくはやらせたい企画を書いて頂けると続きを書くのがだいぶ楽になって助かります
9:名無しNIPPER[sage]
2018/06/03(日) 05:28:49.40 ID:OtyFwuvdo
新曲のユニットとか?
10:名無しNIPPER[sage]
2018/06/04(月) 00:45:18.95 ID:bCOB0Me6o
劇場で次にやる公演でこの5人が新ユニット曲披露をする事になり、その初回打ち合わせ、とかどうかな?
11: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 01:25:17.29 ID:i6zFVQC/0
===
志保が提案した通り、765プロライブ劇場内には和室がある。
いわゆる多目的和室というヤツで、アイドル達が適時集まってはカルタ遊びに興じたり、
12: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 01:26:16.41 ID:i6zFVQC/0
「プロデューサーさんぐっすりだよ? わざわざ起こすのは忍びないなぁ……」
たった今、男の過酷な冒険譚を聞き終えたばかりの少女は、
このまま傷ついた戦士に休息を続けさせたいと思っているようだ。
13: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 01:27:25.48 ID:i6zFVQC/0
「お布団をこの部屋まで持って来ましょう。恐らくはそれが、簡単で確実な方法です」
自身が言い出したからだろう、静かに椅子から立ち上がった。
歌織が「私も」とそれに続く。
14: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 01:29:51.21 ID:i6zFVQC/0
「それじゃあ二人とも、少しの間だけ待っててね」
「お土産は何にしようかな〜♪」
15: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 01:33:02.43 ID:i6zFVQC/0
とりあえずここまで。
頂けたネタ通り、新曲を――って流れで進めます。
多分ですが、今日中には終わる程度の長さの話です
16: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 22:52:54.36 ID:mmQRyYtL0
それは数枚のコピー紙をホチキスで綴じただけの物で、
表紙も無しに飛び込んで来たのは大きな『企画案』の文字。
以下、つらつらとユニットコンセプトについての説明が並んでいたのだが。
17: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 22:54:02.68 ID:mmQRyYtL0
「要は欲深だってことですよね。変わった褒め言葉だと思いますよ」
「ほ、褒められてるのかな? これで」
18: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 22:55:01.40 ID:mmQRyYtL0
「だけど夢見がちってことだったら、少しは思い当たるんだよね」
資料を机の上に戻した彼女は呟きながら頬杖をつく。
19: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 22:56:56.64 ID:mmQRyYtL0
===
一方その頃、多目的和室では「へくしゅっ!」と琴葉の頭が揺れた。
それから一度、また一度。
20: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/04(月) 22:57:53.36 ID:mmQRyYtL0
ここまで。
21:名無しNIPPER[sage]
2018/06/05(火) 17:10:49.68 ID:LtxUaTygo
乙
コンセプトどうすんだと思ったが成程
29Res/19.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20