6: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/06/02(土) 23:26:02.66 ID:a1Hz17K70
「志保ちゃん?」
窺うように名前を呼ばれ、志保はゆっくりと顔を上げた。
世の中の真理に少しだけ近づくことのできた少女は今、自分を見つめる不安を孕んだ瞳に向け。
「そんな目で見なくても大丈夫です。琴葉さんたちの言いたいコト、自分なりにちゃんと納得しましたから」
なるほど本人が言う通り、志保の口ぶりに先ほどまでの怒りは見えない。
琴葉がホッと安堵した様子で問いかける。
「じゃあ志保ちゃんは、プロデューサーが仮眠を取っても構わないよね?」
だが、言われた志保は大きくその目を見開くと、すぐにまた不機嫌そうな顔になって。
「……別に、仮眠なら取ればいいじゃないですか。反対した覚えもありませんし」
返って来た言葉は驚くほどにそっけなく、よく通る程冷ややかで鋭かった。
お喋りを続けていた三人もピタリと話すことを止めて、
今は琴葉同様志保へと注目を向けている。
麗花が言った。
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