21: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/06(水) 22:22:13.10 ID:IZO3JF8l0
「もちろん知ってるさ。だから私たちは、こんな窓もない倉庫みたいなスピークイージーで飲んでるんだろうが」
22: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/06(水) 22:22:41.16 ID:IZO3JF8l0
そう、禁酒法が制定されたからといって世間が「はいそうですか」と素直に受け入れるわけが無かった
魔王健在の頃、酒は人々から不安を拭い、恐怖から目をそらしてくれた
23:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/06(水) 22:23:07.88 ID:IZO3JF8l0
「酒場で一番信用でされない奴。それは、素面の男さ」
「そんな奴に、誰も情報は渡さない。もちろん私もさ」
24:名無しNIPPER[sage]
2018/06/07(木) 02:06:46.70 ID:DVCYn8HDO
乙
スリープじゃなくてスピークだよ
25:名無しNIPPER[sage]
2018/06/07(木) 21:43:23.53 ID:otY7L2Tio
期待
26: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/08(金) 22:53:01.93 ID:/Kiw1pMk0
――――――
「黄金色の酒だ」
27: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/08(金) 22:53:30.07 ID:/Kiw1pMk0
そういえば魔王討伐の旅の中、手持ちの食糧が尽きかけ、鞄の底に残っていたわずかな麦をそのまま齧ったことがあったが。
この苦みは、あの時感じた麦のそれと似ているかもしれない。
28: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/08(金) 22:53:57.04 ID:/Kiw1pMk0
その時を思い出しているのか、遊び人の表情は酷く強張ったものになっている。
この女は、内面が表情に全て出るタイプらしい。もしくは、酒のせいなのか。
29: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/08(金) 22:54:23.58 ID:/Kiw1pMk0
「とある異教の国の司教が、死んだ時の話なんだけどね。彼は、仁徳深い人で葬式にも大勢の人が参列したの。それで、埋葬しようと彼の遺体を運んでたんだけど、まあとある町で人々は休憩をとったわけよ」
「みんな喉も乾いてて、喉が渇いたときに飲むのはビールでしょ?ビールを飲もうとするんだけど、残念なことにマグカップ一杯分しかビールが無い」
30: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/08(金) 22:54:49.71 ID:/Kiw1pMk0
『遊び人』彼女はそう自称していたが、その派手な恰好はどちらかというと道化だ。
当然、口には出さない。道化と言われて喜ぶ女がいないことぐらいは、経験の少ない俺にでもわかる。
31: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/08(金) 22:55:16.60 ID:/Kiw1pMk0
遊び人の言いぶりからすると、俺は多少恨まれているのだろう。面識のない俺に、突然声をかけたのも恨み節を聞かせるのが目的かもしれない。
そんな推測が、酒の効能もあってか少しお花畑になっていた俺の思考を急激に冷ましていく。
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