121: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:00:21.76 ID:YlZ38RDP0
ではなぜ、俺たちが恋仲にあるでもなく部屋を一つしかとらなかったかといえば答えは単純で金欠であったからである。
俺たちは立ち寄った村々で剣の腕をつかい路銀を稼いできたが、そういった仕事も毎度あるわけではない。
そして何より俺と彼女の旅はその性質上、資金のほぼ全ては酒代へと消えていくのだ。
122: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:01:21.79 ID:YlZ38RDP0
大男が唸りながら宿帳をとりだした。
123: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:01:49.87 ID:YlZ38RDP0
「どうした、何が気に食わないんだ?」
124: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:02:17.02 ID:YlZ38RDP0
部屋に荷物を置き、階段を降りると遊び人が既に机の一角に陣取っている。
他の宿泊客は先ほどのやり取りを聞いていたのだろう、まるで演劇の一幕を楽しむがごとく奇異の目を向けている。
125:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:02:52.97 ID:YlZ38RDP0
「そうね貴方の言う通り、衆目にさらされるのは本意じゃないわ」
126:名無しNIPPER[sage]
2019/02/20(水) 00:47:51.83 ID:5jl12CkDO
やっと来たか乙
127:名無しNIPPER[sage]
2019/02/20(水) 17:06:46.30 ID:SM1Pn+Coo
乙
待ってた
128: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/21(木) 23:32:55.40 ID:Fom+zo150
目を開けると、そこには俺の胸の高さほどのカウンターがあった。
そして、そのカウンター越しには壮年の男が一人。
129: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/21(木) 23:33:24.22 ID:Fom+zo150
俺の意識が、魔王から遊び人へ移ったその一瞬。
魔王の右腕が尋常ならざる速さで動く。
その手に逆手で握られているのは針状の武器。暗殺等に用いられる暗器だ。
130: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/21(木) 23:36:21.32 ID:Fom+zo150
独特の低さを持ちながらも透き通った力強く優しい声。
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