遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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129: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/21(木) 23:33:24.22 ID:Fom+zo150

俺の意識が、魔王から遊び人へ移ったその一瞬。
魔王の右腕が尋常ならざる速さで動く。
その手に逆手で握られているのは針状の武器。暗殺等に用いられる暗器だ。


「……っ!?」


なんとか反応し剣を引き抜こうとするが、剣は抜けなかった。
剣の柄を握った俺の手に、遊び人が手を重ね押さえつけてきたからだった。

俺は、死を覚悟した。


しかし、暗器が俺に向けられることはなかった。
魔王は満足そうにニンマリと笑うと、何処から取り出したのか左手の上に氷をのせ、その暗器で砕きだした。

かっかっかっと刻みよく氷が削られていく。
呆然として魔王を眺めていると、見る見るうちに綺麗な球体がその手の上に作り上げられていった。

魔王ができあがった氷の球体を、透明なグラスへと放る。
氷がグラスを叩く乾いた音がカランカランと鳴った。その音を福音とし、俺は正気を取り戻した。


「ど、どういうことだ?」


遊び人に問いかけるが、彼女は答えずにカウンターに並べられた椅子へと俺を促した。
魔王はひとまずのところ、俺を殺しにかかってくる様子はない。ならばと、俺は椅子に腰を下ろす。


「ここは?」


再び遊び人に問いかけるが、答えは正面から返ってきた。


「いらっしゃいませ。ここは、バー『ゾクジン』でございます」


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